February 7, 2010
RIWHアフリカ奨学金基金への募金のお願い
※RIWHアフリカ奨学金基金について(PDFファイル)
NPO-IF世界史研究所(Research Institute for World History= RIWH)では、アフリカにおける世界史教育・研究の発展のために、アフリカの大学における学生向けの奨学金を設立することにしました。当面、この大学はナイジェリアのイロリン大学(University of Ilorin)とします。
南塚は12月にアフリカのナイジェリアにあるイロリン大学に行きました。そこでAsian Association of World Historiansの会長としてAfrican Network in Global Historyの設立に参加してきました。 その際に、アフリカの学生たちが、大変な貧困のなかでも素晴らしい輝きの目をもって世界史を学ぼうとしており、とくにアジアの日本への熱狂的な「共感」を示してくれました。
この体験から、アフリカの学生への奨学金を考えました。金額はわずかなのです。一人あたり1年で500ドルほどを考えています。一日で二ドル以下です。それでも現地の学生にとっては何がしかなのです。大学の一年間の授業料などの総額にあたります。学部の学生と大学院生を混ぜて、3人の学生を対象にしようと考えています。
そのために、RIWHアフリカ奨学金基金を作ってそこに資金を蓄えて行きたいと考えています。もちろん世界史研究所が中心になりますが、同研究所は資金が十分あるわけではありません。なんとか皆さんのご協力をいただいて、この奨学金を開始し維持したいと考えています。当面は5年間と考えていますがこれを伸ばしたい、またイロリン大学以外にも増やしたいと、野望は広がりますが、これは将来のことです。
ぜひご理解をいただいて、ビール一杯、コーヒー一杯分ずつで結構ですから、みなさまからの募金をお願いいたします。
NPO-IF世界史研究所(Research Institute for World History= RIWH)では、アフリカにおける世界史教育・研究の発展のために、アフリカの大学における学生向けの奨学金を設立することにしました。当面、この大学はナイジェリアのイロリン大学(University of Ilorin)とします。
南塚は12月にアフリカのナイジェリアにあるイロリン大学に行きました。そこでAsian Association of World Historiansの会長としてAfrican Network in Global Historyの設立に参加してきました。 その際に、アフリカの学生たちが、大変な貧困のなかでも素晴らしい輝きの目をもって世界史を学ぼうとしており、とくにアジアの日本への熱狂的な「共感」を示してくれました。
この体験から、アフリカの学生への奨学金を考えました。金額はわずかなのです。一人あたり1年で500ドルほどを考えています。一日で二ドル以下です。それでも現地の学生にとっては何がしかなのです。大学の一年間の授業料などの総額にあたります。学部の学生と大学院生を混ぜて、3人の学生を対象にしようと考えています。
そのために、RIWHアフリカ奨学金基金を作ってそこに資金を蓄えて行きたいと考えています。もちろん世界史研究所が中心になりますが、同研究所は資金が十分あるわけではありません。なんとか皆さんのご協力をいただいて、この奨学金を開始し維持したいと考えています。当面は5年間と考えていますがこれを伸ばしたい、またイロリン大学以外にも増やしたいと、野望は広がりますが、これは将来のことです。
ぜひご理解をいただいて、ビール一杯、コーヒー一杯分ずつで結構ですから、みなさまからの募金をお願いいたします。
世界史研究所
南塚信吾
南塚信吾
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January 27, 2010
世界史センター(ピッツバーグ大学)からワークショップの案内
ピッツバーグ大学の世界史センター(World History Center)から、本年6月に世界史に関するワークショップの案内がありました。特にグローバルな関心をもって学位取得を目指している学生を優先するとのこと。興味のある方は下のURLからご応募下さい。
Summer Dissertation Workshop in World History at Pitt, 7-19 June 2010
The World History Center at the University of Pittsburgh is accepting applications for a two-week summer workshop on the construction of dissertation projects in world history, broadly conceived as any project that crosses the usual area studies rubrics. The workshop will include common readings and discussion about how to formulate questions and researchable topics in world history. Participants will also work up model research proposals and bibliographies for mutual discussion and in close consultation with the workshop conveners, Patrick Manning (University of Pittsburgh), Adam McKeown (Columbia University) and Heather Streets-Salter (Washington State University). The workshop will take place at the University of Pittsburgh from June 7 until June 19. The costs for each participant, including room and board, will be $1000 plus transportation. Fee waivers may be available for students with special needs.
Workshop participants may focus on any field or time period, but have a strong interest in building a global dimension into their work. Applications are open to doctoral students from any university in any country. Preference will be given to students who have completed at least a year of graduate coursework and are currently working on their dissertation proposals.
Applications are to be submitted electronically. For details and application form, see www.worldhistory.pitt.edu.
For inquiries: contact any of the workshop convenors:
Patrick Manning, University of Pittsburgh, pmanning[at]pitt.edu
Adam McKeown, Columbia University, amm2009[at]columbia.edu
Heather Streets-Salter, Washington State University, streetsh[at]wsu.edu
Application due date: March 1, 2010. Final decisions will be announced by late March.
Summer Dissertation Workshop in World History at Pitt, 7-19 June 2010
The World History Center at the University of Pittsburgh is accepting applications for a two-week summer workshop on the construction of dissertation projects in world history, broadly conceived as any project that crosses the usual area studies rubrics. The workshop will include common readings and discussion about how to formulate questions and researchable topics in world history. Participants will also work up model research proposals and bibliographies for mutual discussion and in close consultation with the workshop conveners, Patrick Manning (University of Pittsburgh), Adam McKeown (Columbia University) and Heather Streets-Salter (Washington State University). The workshop will take place at the University of Pittsburgh from June 7 until June 19. The costs for each participant, including room and board, will be $1000 plus transportation. Fee waivers may be available for students with special needs.
Workshop participants may focus on any field or time period, but have a strong interest in building a global dimension into their work. Applications are open to doctoral students from any university in any country. Preference will be given to students who have completed at least a year of graduate coursework and are currently working on their dissertation proposals.
Applications are to be submitted electronically. For details and application form, see www.worldhistory.pitt.edu.
For inquiries: contact any of the workshop convenors:
Patrick Manning, University of Pittsburgh, pmanning[at]pitt.edu
Adam McKeown, Columbia University, amm2009[at]columbia.edu
Heather Streets-Salter, Washington State University, streetsh[at]wsu.edu
Application due date: March 1, 2010. Final decisions will be announced by late March.
January 20, 2010
アフリカ世界史研究ネットワークの設立(続報)
先日の記事でアフリカ世界史研究ネットワークの設立についてお知らせいたしましたが、設立会議の報告書(英語・仏語)と規約が作成されましたので、お知らせいたします。詳細は下のPDFファイルをご参照下さい。
設立会議報告書(英語) 約3.1MB
設立会議報告書(仏語) 約3MB
ANGH規約(英語) 約1.9MB
設立会議報告書(英語) 約3.1MB
設立会議報告書(仏語) 約3MB
ANGH規約(英語) 約1.9MB
December 24, 2009
アフリカ世界史研究ネットワークの設立
2009年12月9日から12日までアフリカのナイジェリアにあるイロリン大学において、アフリカから世界史を考える歴史家たちの集まりがあり、その結果African Network in Universal and Global History(ANUGH)という組織が設立されました。
集まったのは、ナイジエリア、カメルーン、ベニン、セネガルなどの西アフリカの歴史家たち、南アフリカの歴史家、在フランスのナイジェリア人歴史家、それにエジプトのカイロにあるアメリカ大学のアメリカ人歴史家、ドイツ人、スイス人のアフリカ史研究者、アメリカのアフリカ史研究者、そして日本から来た私といったメンバーでした。
会議では、アフリカ人だけでなく、アフリカという視点から世界史を考える歴史家(研究者も教育者も)をメンバーとし、世界史と言ったときにもuniversal history, global historyなど、ナショナル・ヒストリーを克服しようとする傾向の歴史を指すことにしようという合意がなされました。これはAAWHの場合と同じです。
一般に、アフリカの歴史家はナショナル・ヒストリーへの傾向が強く、それを乗り越えようとする歴史家は少ないと言われています。そういう中で、世界史への強い意欲を持った歴史家が国境を越えて集まることができたことは、重要な歴史的事件であったと思います。
また、欧米からではなく、アジアから私が参加したことは、アフリカの人々にとって、とても新鮮だったようで、とくに学生たちは強い関心を示し、熱烈な歓迎をしてくれました。アジアとアフリカの連帯の必要性を強く感じてきたしだいです。
ANUGHは、2011年9月にエジプトのカイロにおいて、第一回の学術大会を開くことを決定しました。
(南塚信吾)
集まったのは、ナイジエリア、カメルーン、ベニン、セネガルなどの西アフリカの歴史家たち、南アフリカの歴史家、在フランスのナイジェリア人歴史家、それにエジプトのカイロにあるアメリカ大学のアメリカ人歴史家、ドイツ人、スイス人のアフリカ史研究者、アメリカのアフリカ史研究者、そして日本から来た私といったメンバーでした。
会議では、アフリカ人だけでなく、アフリカという視点から世界史を考える歴史家(研究者も教育者も)をメンバーとし、世界史と言ったときにもuniversal history, global historyなど、ナショナル・ヒストリーを克服しようとする傾向の歴史を指すことにしようという合意がなされました。これはAAWHの場合と同じです。
一般に、アフリカの歴史家はナショナル・ヒストリーへの傾向が強く、それを乗り越えようとする歴史家は少ないと言われています。そういう中で、世界史への強い意欲を持った歴史家が国境を越えて集まることができたことは、重要な歴史的事件であったと思います。
また、欧米からではなく、アジアから私が参加したことは、アフリカの人々にとって、とても新鮮だったようで、とくに学生たちは強い関心を示し、熱烈な歓迎をしてくれました。アジアとアフリカの連帯の必要性を強く感じてきたしだいです。
ANUGHは、2011年9月にエジプトのカイロにおいて、第一回の学術大会を開くことを決定しました。
(南塚信吾)
October 23, 2009
『史学雑誌』「歴史の風」「歴史的思考力をどう育てるか」 油井大三郎
※『史学雑誌』2009年7月号の「コラム 歴史の風」に以下のエッセイが掲載されましたが、世界史教育に関心をお持ちの皆さんにもご覧いただき、ご意見を寄せていただければ幸いと思い、このホームページにも転載をお願いした次第です。油井大三郎
最近、若い世代が「歴史離れ」しているのではないかという印象を持つ機会が多い。それは、私が地域研究や地域文化研究的な場で学生に接することが多いためで、史学科の学生なら違った印象になるのかもしれない。しかし、2008年6月に秋葉原で起こった連続殺人事件を分析した『アキハバラ発ー00年代への問いー』(大澤真幸編、岩波書店)のなかで、ノンフィクション作家の吉岡忍氏が似たような指摘をしているのに気がついた。彼は、秋葉原事件と1988-9年に発生した連続幼女殺害の宮崎勤事件の犯人間に類似性があるとして、それを自分の生活実感の中の「小さな物語」に自閉した状態と指摘している。その根拠として、精神科医が宮崎と交わした会話の中の太平洋戦争に関するやり取りを紹介している。
そのとき宮崎はポカーンとした。「えっ、日本とアメリカは戦争をしたの?」と、びっくりしている。広島や長崎に原爆を落とされたことも知らなかった。彼のなかでは、歴史はきれいに蒸発していた。そんなものに何の関心もなかった。それでいて、いや、それだからこそかもしれないが、アニメをはじめとするオタク的知識はそれなりにふんだんに持っていた。当時の彼はオタクという言葉を知らなかったようだが、文字通り「小さな物語」を濃密に生きていたことは間違いない。
ここで言われている「小さな物語」とは、ソ連の崩壊などによる「大きな物語」の消滅という「ポストモダニズム」の主張を念頭において言われているのだが、歴史意識の喪失が若者の生き方を「自閉的」にさせているのではないかと、警鐘を鳴らしているのである。私も同様な危機感を抱いている。どうしたら若者に歴史の面白さ、歴史的思考力を現在の生活に活かす方法を伝えられるか、真剣に考える必要があると痛感している。
私は、現在、2006年秋に発覚した世界史未履修問題の解決策を検討するために日本学術会議のなかに設置された高校地理・歴史科教育分科会の委員長をしている関係でも、歴史教育の問題に強い関心をもっている。2007年5月に発足したこの委員会では日本史、世界史、地理の関係者に加え、人類学、考古学、教育学の専門家も参加して、「空間認識と時間認識を調和のとれた形で教育する」重要性を共通認識として検討を進めている。
ここでの審議を通じて世界史未履修問題が発生した原因について幾つかの問題が明らかになってきた。その第一は、週休2日制への移行や総合学習の導入などによって従来通りの授業時間数の確保が難しくなり、必修であっても世界史の時間確保が困難になっていたこと。第二には、小・中までの社会科教育が日本史中心に行われており、生徒は高校にきて初めて世界史を習うため、他より暗記項目が多い世界史を敬遠する傾向があること。その結果、第三に、大学受験で世界史以外の科目で受験する生徒が多く、「世界史」の名目でその受験科目を教える「便法」がまかり通っていたのだという。
最近、若い世代が「歴史離れ」しているのではないかという印象を持つ機会が多い。それは、私が地域研究や地域文化研究的な場で学生に接することが多いためで、史学科の学生なら違った印象になるのかもしれない。しかし、2008年6月に秋葉原で起こった連続殺人事件を分析した『アキハバラ発ー00年代への問いー』(大澤真幸編、岩波書店)のなかで、ノンフィクション作家の吉岡忍氏が似たような指摘をしているのに気がついた。彼は、秋葉原事件と1988-9年に発生した連続幼女殺害の宮崎勤事件の犯人間に類似性があるとして、それを自分の生活実感の中の「小さな物語」に自閉した状態と指摘している。その根拠として、精神科医が宮崎と交わした会話の中の太平洋戦争に関するやり取りを紹介している。
そのとき宮崎はポカーンとした。「えっ、日本とアメリカは戦争をしたの?」と、びっくりしている。広島や長崎に原爆を落とされたことも知らなかった。彼のなかでは、歴史はきれいに蒸発していた。そんなものに何の関心もなかった。それでいて、いや、それだからこそかもしれないが、アニメをはじめとするオタク的知識はそれなりにふんだんに持っていた。当時の彼はオタクという言葉を知らなかったようだが、文字通り「小さな物語」を濃密に生きていたことは間違いない。
ここで言われている「小さな物語」とは、ソ連の崩壊などによる「大きな物語」の消滅という「ポストモダニズム」の主張を念頭において言われているのだが、歴史意識の喪失が若者の生き方を「自閉的」にさせているのではないかと、警鐘を鳴らしているのである。私も同様な危機感を抱いている。どうしたら若者に歴史の面白さ、歴史的思考力を現在の生活に活かす方法を伝えられるか、真剣に考える必要があると痛感している。
私は、現在、2006年秋に発覚した世界史未履修問題の解決策を検討するために日本学術会議のなかに設置された高校地理・歴史科教育分科会の委員長をしている関係でも、歴史教育の問題に強い関心をもっている。2007年5月に発足したこの委員会では日本史、世界史、地理の関係者に加え、人類学、考古学、教育学の専門家も参加して、「空間認識と時間認識を調和のとれた形で教育する」重要性を共通認識として検討を進めている。
ここでの審議を通じて世界史未履修問題が発生した原因について幾つかの問題が明らかになってきた。その第一は、週休2日制への移行や総合学習の導入などによって従来通りの授業時間数の確保が難しくなり、必修であっても世界史の時間確保が困難になっていたこと。第二には、小・中までの社会科教育が日本史中心に行われており、生徒は高校にきて初めて世界史を習うため、他より暗記項目が多い世界史を敬遠する傾向があること。その結果、第三に、大学受験で世界史以外の科目で受験する生徒が多く、「世界史」の名目でその受験科目を教える「便法」がまかり通っていたのだという。
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